スライド作成のための参考図書・サイト
あっという間にお正月休みも終わってしまいました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
「見聞きしてきたことをブログに書いてみんなで共有すればいいじゃない」というおすすめをいただいて、書き始めたのが2012年7月。さっぱり更新できていませんが、今年は「月1本は書く」を目標に・・。
昨年は発表の機会が多かった、と前回のエントリに書きましたが、もともと思考を論理的に整理して表現することが最も苦手であるため、プレゼン以上にスライド作成には本当に苦労しました。
そこで今回は頭の整理もかねて、スライドを作る際に参考にした図書やサイトをご紹介したいと思います。
なお、資料も参考サイトも、いわゆるビジネス向けのものではなく、研究発表を前提としたものが中心です。そもそもは学会発表(実現せず)に向けて参照したのですが、研究発表メソッドは大学職員にとっても十分参考になるなあと感じました。
たとえば、大学職員の仕事につきものの事業提案プレゼンは・・
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1)課題の提示(提案の背景・目的)
2)提案概要
3)根拠(データ)に基づく提案の必要性についての証明・考察
4)事業計画の提示(事業コスト・スケジュール・評価方法など)
5)まとめ
※1)2)は入れ替わることもある?
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といった要素をスライドで提示しながら進めることが多いと思いますが、この流れの中に研究発表の「短い時間内でコンパクトに」論理的かつ情報を読み取りやすい形で伝えるという要素を組み込むことができるのではないかと思います。
大学という職場での発表(学内外問わず)は、オーディエンスが教員である場合も少なくありません。そう考えると、大学職員が教員と同様に、アカデミックな思考や手法を学ぶということは大事なのかもしれません。
1.図書
「わかりやすさ」「読みやすさ」の考え方と技術をベースに、論点整理から情報の取捨選択、スライドデザインまできれいに網羅されています。 特に「わかりやすい(情報を認識するのに要する時間が短い)デザイン」のための手法(コントラストの活用・情報のグルーピング・図式化)が参考になります。
これから学会発表する若者のために -ポスターと口頭のプレゼン技術-
- 作者: 酒井聡樹
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2008/11/21
- メディア: 単行本
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初めて学会で研究発表を行う大学院生・研究生をターゲットとしています。文章は明快かつ要点が整理されていて、とてもわかりやすい。
スライドデザインに関する記述は少な目ですが、巻末にIMRAD型のスライド・ポスター例があり、参考になります。スライドのドラフトを書くときに、このポスター例に要素を当てはめていって論点整理を行ったことも。
#余談ですが文中に登場する研究例が「ベガルタ仙台が強いのは牛タン定食を食べているからである」という仮説を証明するものだったり、ポスターデザインに青と黄色のベガルタカラーが用いられているあたり、東北大学の先生である酒井さんならでは。ベガルタ好きとしては親しみやすさを感じました。
2.サイト(スライドデザイン)
■伝わるデザイン 研究発表のユニバーサルデザイン
東北大学・日本女子大学の研究者の方々により運営されているサイト。若手研究者向けに、学会発表のポスター・スライド作成の基礎について、「情報をデザインする」という視点のもと、わかりやすく解説されています。
特に書体の選び方、配色など、デザインテクニックの部分が充実。スライドやレジュメの実践例も示されています。
■スライドデザインのヒント | Garr Reynolds Official Site
『プレゼンテーションZen』の著者、ガー・レイノルズ氏のオフィシャルサイト。準備段階・スライドデザイン・講演の3つのカテゴリに分かれています。
話術が下手なので、資料を読み返してもわかりやすいように、と必要以上に情報を詰め込んでしまう癖があるので、スライドデザインのページに書かれている「スライドは話し手を補助するためにあるもので、話し手を不必要にするためではない」という言葉が身につまされました。。。
3.サイト(スライドテンプレート)
■Microsoft Office - Office.com
言わずと知れたMicrosoftのPowerPointテンプレ集。おしゃれなデザインも増えました。
(しかしクリップアート、写真はおしゃれなのが多いのにイラストのテイストは相変わらず・・
■44,064 Free PowerPoint Templates and Backgrounds(presentation magazine.com)
PowerPoint向けのフリーテンプレート集。スタイリッシュなデザインが多いです。
スライドだけではなく、館内掲示用のポスターにも応用できそう。
テンプレを参照する際は、Pinterestのほうが見やすいです(カテゴリごとに分けられてる)
4.PowerPointによるスライドデザインで「失敗しちゃったなあ・・」と思ったこと
■背景を濃い色・文字を明るい色に → 見づらい&印刷が大変・・・
発表に使うだけならスタイリッシュで素敵なのですが、スライドをそのまま配布資料にするときに見づらい&印刷する側の負担大(トナー消費しまくり)ということに後から気づき。。。当日の資料を準備してくださる方々のことも考慮すべきだったと反省。
■文字を濃いグレーっぽい色に → 印刷したらぜんぜん見えない・・・
■好きなフォントを使ったら → 発表時に正しく表示されない・・・
普段から、パワポのフォントは好んでメイリオを使っています(可愛くて見やすい)
しかしメイリオがインストールされてないPC環境で発表する場合、すべてゴシックに置き換わってしまうことを知らなかったため、発表時に使用&後日公開されたスライド、先方で用意してくださった配布資料の体裁が見事に崩れてしまったことが・・
■テキスト詰め込みすぎ、色使いすぎ → 見づらい・・・
緊張するとセリフ(?)が飛ぶタチなので、話したいことをとにかく資料に入れたところ、発表する自分自身でさえ「伝えたい」情報がすぐに見つけられなくなるという本末転倒な結果に。要約→図式化することが大事、と学びました(なかなか改善できてませんが)
色を多用すると、それを追って視線が激しく移動するため、必要な情報を素早く見つけられない→論点がぼやけまくる。目もチカチカ・・
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「わかりやすく、論理的に人に伝えること」は、発表やスライド作成に限らず、普段のコミュニケーションや各種資料の作成においても重要なこと。常に頭に入れておきたいと思います。