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日々のきろく

図書館や高等教育をめぐる様々なできごとなどを記録します

大学における大規模災害時の各種対応記録

(【追記】2016/04/18:「情報インフラの復旧」を追加しました)

 

熊本県を中心とする広範囲な地震により被災された皆様方に、心よりお見舞い申し上げます。前震・本震のみならず、余震の回数と大きさに言葉を失くしてしまいます。

連日不安な日々をお過ごしではないかとお察しします。
早く収束しますよう、お祈りしています。

離れた場所で何もできずに無力感に襲われていましたが、いまできることは自分が知る範囲での情報をご提供することと思い、ここにきろくします。


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今回の地震では、数多くの大学が被災されています。
東海大学ではアパート倒壊で犠牲になられた学生さんも。。
各大学の状況はG.C.Wさんがこちらにまとめてくださっています。

app.m-cocolog.jp

 

東日本大震災発生時に大学での災害初期対応や大学図書館の復旧作業を経験しました。
その過程で痛感したのは、大規模災害時の大学における初動対応記録の少なさ(もしくは見つけにくさ)でした。

あれから5年。各地での震災アーカイブの活動も拡大し、資料類のデジタル化、web公開も積極的になされています。

蓄積された記録の中から、大学の初期対応現場で役立ちそうな資料やサイトを集めてみました。
まずは取り急ぎ。整理されていませんがご容赦ください。

 

■学校法人による災害対応報告書

阪神・淡路大震災関西学院報告書「激震―そのとき大学人は」(全文公開)

www.fukkou.net

地震発生時の教育機関における初期対応の経験など、詳しく記載されています。
学校法人傘下の中学・高等学校の対応についても纏められていますので、大学以外の教育関係者の皆様にとっても、参考になるのではと思います。

もともと日本経済評論社から販売されていたものでしたが、東日本大震災の直後にwebで全文公開してくださって、活用させていただきました。
過去の災害記録を被災現場ですぐに利活用できるかたちに整えてくださった好例だと思います。


■留学生サポート

「留学生担当者用 大規模災害時の留学生サポートマニュアル」(日本私立大学連盟  国際連携委員会)全文公開)

www.shidairen.or.jp

実務的で分かりやすく、初動の現場ですぐに活用できる内容です。

第1章 事前準備と災害発生時の対応 「大規模災害が発生したら」(p.5-6)は初動から生活再建期までフロー図化されており、「事前準備チェックリスト」(p7-10)は前述のフロー図におけるフェーズに基づいた内容で作られています。

この他にも、東日本大震災発生時の被災地の大学の動きについて、全体と国際交流担当部署に分類し、時系列に併記されています。また、弘前大学人文学部社会言語学研究室により作成された「やさしい日本語」で書かれた外国人向け各種情報について、カテゴリごとに時系列で纏められた資料(http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/kokugo/touhoku.htm)も紹介されています。

リンク先記事の下部にある掲載資料掲載URLも、国際系部門に限らず、大学関係者全般にとっても有用かと思われます。

 

 

■デジタルアーカイブ

1.  震災文庫(神戸大学附属図書館)
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/eqb/

図書館関係者のみなさまにはよく知られている震災文庫。
神戸大学附属図書館で収集した阪神・淡路大震災に関する資料のデジタルアーカイブです。

東日本大震災後、建物の安全確認のために暫く図書館に立ち入ることができず他部署の応援に回っていたときに、合間に震災文庫のデジタルアーカイブで図書館復旧作業に役立ちそうな文献を探したりしていました。
特に「阪神・淡路大震災被害と復旧その報告」(神戸商船大学附属図書館[編])は、復旧作業の段取りをイメージするのにとても役立ちました。
http://www.lib.kobe-u.ac.jp/directory/eqb/book/8-524/

 

2.  学校法人東北学院 デジタルアーカイブ  東日本大震災の記録 Remembering 3.11(学校法人 東北学院
http://archive311.tohoku-gakuin.jp

学校法人東北学院が設置する大学・高等学校・中学校・幼稚園・関連団体(教職員組合生活協同組合)において作成・撮影された、東日本大震災に係る文書資料、写真資料のデジタルアーカイブ。

震災直後に作成・配布された資料や、災害対策本部資料、復旧作業記録・震災に関わる各種活動記録などが収録されています。

 

 

■大学における災害対策マニュアル(教職員向け)

このあたりは探せばまだヒットしそうな気がしますし、災害以外のリスクを含めた「危機管理マニュアル」として各大学HPの「教育情報の公開」で公開されているケースも多いので、まずは災害に特化したものを挙げておきます。
このあたりの公開状況は、学生向けのものも含めもう少し調べてみたいです。

学校法人郡山開成学園 震災対応マニュアル(教職員用)
【PDF】http://www.koriyama-kgc.ac.jp/wp-content/uploads/2014/05/5413a0fda56d947461ae9ac728b7c96a.pdf

日本福祉大学 大規模震災対応マニュアル
http://www.n-fukushi.ac.jp/bousai/manual.html

鶴見大学 大規模地震対応マニュアル(教職員用)
【PDF】http://ccs.tsurumi-u.ac.jp/seminar/pdf/staff/jishin.pdf

 

 

■情報インフラの復旧

大学教育と情報私立大学情報教育協会)
2011年度 No.4 「特集 情報と災害対策」
http://www.juce.jp/LINK/journal/1202/mokuji.html

 

私立大学情報教育協会の機関誌における災害対策特集。大規模災害時のシステムをはじめとする学内の情報インフラの復旧の過程が記されています。
BCP(business continuity plan)策定のヒントとなる内容も含まれているのでは。


東日本大震災発生から授業再開までの戦い~東北学院大学

被災時の教育研究用コンピュータシステムの状況と大学の役割について~石巻専修大学

・電源不足とあるべきシステム基盤について~桜美林大学

阪神・淡路大震災甲南学園の対応~「常ニ備ヘヨ」創立者平生釟三郎の教訓を胸に~

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思いつくものをばーっと挙げてみました。
ほかにもあるよー、というものがあればご教示いただけますとありがたいです。


まだまだ強い余震が続いている様子、くれぐれもご無理はなさらず、安全第一でお過ごしください。

「その時」をどう乗り越えるか

Facebookに書こうとして、長くなりそう、そうだこれブログに書いてみようかな、と思いまして。

 

いつもとは趣が違いますが、こころのきろくです。

 

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朝PCを立ち上げてメールチェックしたら、Googleアラートに引っかけた記事のチェックをするのが日課です。

 

特に学術広報、研究支援、IR(Institutional Research)トピックのわくわく感はすごい。

すてきな研究成果発信をしてるようすを見たりすると、それだけできもちがぐぐっと上がります。

 

図書館の仕事が長くなったせいか、このわくわく感は今の仕事にリンクさせたものと言うよりも、次に異動したらこんな仕事がしたい、こんなことやってみたら絶対面白いよね、の貯金をしてるのだろうな、と思うことがあります。

 

そろそろ、新しいことがしたい。

 

最近、次に向かう場所のことをよく考えます。

自分が望んでいるものではない次の道がなんとなく見えはじめていて、その時が来たら果たして自分を保てるか、不安感というか、怒りにも似た黒い感情がちょくちょく襲ってきて。

 

大学職員の仕事は異動によってその内容が180度変わる特殊さがあるような気がしています。図書館から財務、教務、学生支援、施設管理、経営企画へ仕事を移したひとも多々見てきました。その逆も然り。私も全くの畑違いな部署から図書館にやってきて、大学職員(特に私立大学)の異動はある意味転職に近いものがある、と感じたりもしました。

 

しかし。キャリアプランをうまく描けなくても、ジェネラリストということばにジレンマを感じつつも、皆うまく折り合いをつけて与えられた場所で自分の役割を誠実に果たしています。

 

果たしてわたしにはそれができるだろうか。楽しく仕事するために、楽しく生きるために、異動という「その時」をどう乗り越えるか。

大袈裟かもしれないけど、仕事が生活の中心になってるわたしにとっては切実な問題だったりします。

 

きょうはそんなことに思いを巡らすような会議が続いたからか、今夜はなおさら考えてしまうのでした。

うーん、ネガティブだ。

 

ほんと、みんなどう折り合いをつけてるのだろ。不思議でたまらない。お願い誰かおしえて!

 

とか思っていたら。大好きなブロガーさんのこちらの記事を見かけて、おもわずおおっ、と声が出てしまいました。

 

 

hase0831.hatenablog.jp

"夢とか目標って、自分の人生を前にドライブするために必要なアクセルみたいなもので、背中をぐんと押してくれる力があるものだし、それがないと、がんばれない。でも、それと同時に、守るもの、ネガティブな言い方をすれば、重荷、みたいなものがあることで、堪えることができたり、踏ん張りがきいたりするのかもしれない"

 

ああ、これだ。わたしには「重荷」がなくて、ただこうなりたいと願うものしかないから、目標を見失いそうになっただけで簡単に軸がブレて揺らいでしまうんだ。

「重荷」は必ずしも家族や子どもでなければならないわけでもなくて。それは揺るぎない信念やプライドだったり、心地よいと思える社会的な居場所だったり。

 

わたしにとっての「重荷」ってなんだろう。それを見つけることから始めてみよう、と思いました。

 

(なんだか読書感想文みたいになってしまった…)

 

 

オープンアクセス・オープンサイエンスの動向を網羅的に理解するための基礎的資料(めも)

 

夏休みに入ったらまとめようと思っていた2つの宿題のうちのひとつ。

 

リポジトリを担当して2年が経ちました。

本来であればそれなりにオープンアクセスや最近話題のオープンサイエンスに関する知識身につけているべきところ、全くできていない...

とは言え、兼務している仕事のウェイトも大きく、このあたり腰を据えてじっくりと情報収集することができずにいます(同様の悩みをお持ちのリポジトリ担当のかたも多いのでは。。)


そんななか、短い時間で網羅的にオープンアクセスやオープンサイエンスの動向を把握できそうな資料があれば…!と探していたところ、とても分かりやすくまとめていただいている資料をいくつか見つけたので、きろくしておきます。

 

1. 「学術情報のオープン化に関する資料」(PDF)(文部科学省 科学技術・学術審議会学術分科会 第8期学術情報委員会(第3回)(2015/06/24)参考資料)

 

オープンアクセス(以下「OA」)の基礎的事項(OA定義 / 直近に開催された国際会議における海外OA動向 / 科学技術基本計画 / 文科省内閣府の各種報告検討会や審議まとめに基づくOAの考え方 / JSPS、JST、NII、文科省のOAへの対応)、国内OA施策(JSPS(科研費研究成果公開促進費)/ JSTJ-STAGE・J-GLOBAL)/ NII(IRP)/ SPARC Japan)、国内リポジトリの状況(構築数 / JAIRO Cloud利用大学数 / コンテンツ種別)、DOI(JaLC)、著作権(国内学協会著作権ポリシー状況 / CCライセンスの解説)、英米助成機関のOAポリシー、オープンデータ(データ公開・管理の世界的動向 / 研究データの対象範囲、データジャーナル)

OA、オープンサイエンスに関する国内外の動向とカレントトピックスが網羅されていて、概略を掴むのに最適な資料でした。
各テーマについてスライド一枚程度でまとめられているので、より詳しい情報は他の資料に当たる必要がありますが、リポジトリ担当の方はもちろん、初任者の方や担当外の方にも理解しやすい内容では、と思います。

 # スライド21の「Creative Commonsが示す著作物の利用範囲」がとてもわかりやすいので、リポジトリ登録を希望する先生方へのCCライセンス説明に使わせていただいたことがあります。


学術情報委員会(第3回)その他配布資料はこちら↓

第8期学術情報委員会(第3回) 配付資料:文部科学省

 

 

2. 「オープン化に関する諸外国及び我が国の動向」(PDF)(内閣府 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会(第1回)(2014/12/09)資料5 補足)



資料5(国際的動向からみたオープンサイエンスに関する検討資料)に気を取られて見落としていたのですが、補足資料がむちゃくちゃ良資料だったので。


海外のOA/研究データ動向(欧米におけるOA、研究データ公開、OA/データ共有ポリシー策定の経緯、国内OAの動向(第4期科学技術基本計画)、科研費研究成果公開促進費J-STAGEの登録状況、国内リポジトリの概況とJAIRO Cloudの構築機関数など。国内動向は前出1の資料にも含まれています。

特にOA、研究データ公開、OA/データ共有ポリシーの国際動向の一覧性に思わず声が出てしまいました。普段からそれぞれのトピックを断片的に資料を目にしていても、点がたくさんできるばかりで全容を掴むことができずにいたのですが、特にスライド2「欧米におけるオープン化に対する動き」のように、OAから研究データ公開までの動きを、ファンディング機関・研究者・出版社と並べて表記されることでそれぞれの関係性が明確に見えてきます。

国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会(第1回)その他配布資料はこちら↓

www8.cao.go.jp

 

 

3. 「研究データ共有ポリシーに関する調査」(PDF)(科学技術振興機構 わが国におけるデータシェアリングのあり方に関する提言(2015年4月) 別添資料2)


前出2の資料と一部重複しますが、タイトル通り研究データ公開・管理に特化した内容となっており、重複箇所は最新の情報が反映されています(内閣府の資料では作成中であった米エネルギー省(DOE)のデータ共有ポリシーが加筆されていたり)

特に興味深かったのが、商業出版社・情報提供会社の研究データに対する動向(トムソン・ロイター、エルゼビア、CAS/ACS、NPG)と、図書館の研究データに対する動向(ドイツ技術情報図書館・パデュー大学図書館)。

ScienceDirect上の論文と各国のデータリポジトリとの双方向自動リンクしてるとか知らなかった…。

提言本文・関連資料はこちら

jipsti.jst.go.jp

 

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論文のオープンアクセスについてはある程度理解できていても、研究データの管理・公開についてはまだまだ分からないことばかり。

何をもって研究データと見なすのか?数値データ以外の、人文社会系の研究データは?大学が管理すべき研究データの種類や範囲は?研究データ管理に関する規程は?etc..

資料を読めば読むほど「分からないことだけは分かるぞ」という体たらくでしたが、まずはこの3つの資料を読み込んで基礎を理解するところから始めたいと思います。 

震災を記録する、記憶を担保する、ということ

がオープンしたとの記事。

 

 

震災発生からから4年4ヶ月経過したいまでも、アーカイブ活動は各地で続けられています。上記とは別件ですが、仕事ですこしだけ震災関連のデジタルアーカイブに関わったことがあったので、いまもこのへんの動向は気になっています。

これらの記事を読んでふと、「震災を記録すること」について考えたこと、見聞きしたことがふとよみがえってきたので、きろくしておきます。

いまいち纏まってませんが。。

※上記のアーカイブに対する指摘・感想などではありません。念のため。。


1.「記憶を担保する装置」

震災アーカイブとは、
被災経験や記録を次世代に引き継ぎ、活用してもらうこと。
長期保存が可能な状態として残すこと。

それに加えて、震災デジタルアーカイブはそれらを電子的に保存するだけの単なる収納庫ではなく、「失われつつある記憶を担保する装置」でもあるのではないか、それは必ずしも被災地のひとにとってだけではなくて。というのが私の考えです。

デジタルアーカイブという枠組みを作ることと併せて、そこに収録されたコンテンツのひとつひとつに隠れている、その時々の想いやことば、感情を、見る人の中に引き出す見せ方を付加することではじめて「記憶」が立体的に、「遠い場所で起こったこと」ではなくて、「自分ごと」として記録されていくのではないかなあ、と。

じゃあ、どうやって?連動企画で関連図書を展示する?うーむ、なにかが違う。。


2.「記憶を担保する」---せんだいメディアテーク2014年度展示会「記録と想起・イメージの家を歩く」から

そんなもやもやを吹き飛ばしてくれた企画展示が、昨年11月から今年1月にかけて仙台で開催されました。
せんだいメディアテーク2014年度展示会「記録と想起・イメージの家を歩く」です。
(だいぶ前の話ですが、あまりに衝撃を受けたので、いつかどこかで紹介したいと思っていたのでした。。)

f:id:riddim_m:20150112170352j:plain

 

「3がつ11にちをわすれないためにセンター」の記録を活用した展覧会。インターネットを基盤とした震災のアーカイブに収められた記録データを、台所や寝室など生活空間を模した空間に展示することで、記録がもつさまざまな表情を引き出します。

せんだいメディアテーク 3がつ11にちをわすれないためにセンター Webサイトより)

 

会場はひとつの家、たくさんのちいさな部屋が扉で繋がっていて。

台所やリビング、寝室という「暮らし」に直結した場所に、「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(わすれン!)が市民から収集したコンテンツが並べられて、ソファやダイニングの椅子に座りながら、それらを見る、という珍しい展示形式でした。
「わすれン!」のデジタルアーカイブに収録されたインタビュー映像、オーラルヒストリー、流された日用品、復元されたインテリア。食卓にさりげなく置かれた、3.11以後のとある家族を追った写真アルバム、日記、パネル。受話器から聞こえるおばあちゃんの声、etc…

そこにあったはずの暮らし、そこから新たに生まれた暮らし。
震災は間違いなく人々の暮らしのなかにあって、それはいまも決して終わってはいない。
風化、という言葉も吹き飛んでしまうほどのインパクトでした。
(このインパクトを写真でご紹介できないのが残念。。)

震災の記録を五感に訴える、アーカイブの新しいかたちであると思いました。

 
 #こちらのサイトに詳細レポートあり。

artscape.jp

 

 (後日談)迫ってくる現実があまりにもヘビーすぎて、見終わった後はしばらく気持ちが切り替えられないほどでした。震災資料はそれだけ人の心を揺さぶる思いがけない強い力を持っていて、それらを扱う責任の重さもあらためて感じました。

 3.「記憶を担保する」---ARABAKI ROCK FEST.公式サイトから

東北のひとに愛されている春の野外音楽フェスの代表格、ARABAKI ROCK FEST.(以下アラバキ

arabaki.com

2001年から始まり、2015年の観客動員数は約5万人。4月に開催され、東北に春の訪れを告げる恒例の大規模音楽イベントです。


このアラバキのオフィシャルサイト、第1回から直近開催分まで全てアーカイブされています。

arabaki.com


上記サイトのリンク一覧を見ると

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    2014年 ARABAKI ROCK FEST.14
    2013年 ARABAKI ROCK FEST.13
    2012年 ARABAKI ROCK FEST.12
    2011年 ARABAKI ROCK FEST.11 08
    2011年 ARABAKI ROCK FEST.11
    2010年 ARABAKI ROCK FEST.10
    2009年 ARABAKI ROCK FEST.09
    2008年 ARABAKI ROCK FEST.08
    2007年 ARABAKI ROCK FEST.07
    2006年 ARABAKI ROCK FEST.06
    2005年 ARABAKI ROCK FEST.04292005
    2004年 荒吐宵祭
    2003年 ARABAKI ROCK FEST.09072003
    2002年 ARABAKI ROCK CIRCUIT 2002
    2001年 ARABAKI ROCK FEST.2001
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2011年が2つのページに分かれています。
この年のアラバキは4月29日-30日に開催予定でしたが、震災の影響でいったん中止になり、8月に開催された経緯があります。その2回分を別ページで管理されているのですね。

 「ARABAKI ROCK FEST.11」のNEWSは3月10日で更新が止まり、
http://201101.arabaki.com/news/

6月6日には「ARABAKI ROCK FEST.11 08」にリニューアルされて、再始動&8月開催宣言がなされています。
http://201108.arabaki.com/news/

 

    2011年 ARABAKI ROCK FEST.11 08
    2011年 ARABAKI ROCK FEST.11

 

たったこれだけの情報ですが。

実際のところ、3月は通信手段やライフラインの確保が難しくなかなか身動きが取れなかったでしょうし、頻発する余震や原発事故など、先行きが全く見えなかったでしょう。夏フェスのスケジューリングも確定しつつある、そんな状況でも、参加者数万人規模のイベントを中止にせず、たった4ヶ月弱の準備期間で開催した主催者の方々の情熱を感じることができます。


こういう記録や軌跡を、当時のままに保存し、わかりやすく見せること。

上記のサイトを見た時に感じた空気感、行間から浮き彫りになる様々な人の動きや込められた想いを読み取ることができる、これもまさに、物理的なモノがなくても情報から「記憶」が立体的にアーカイブされていく、ひとつの例なのかな。と思います。

 

 

 

 

 

日本版MOOC体験記 gacco「インタラクティブ・ティーチング」 (3)学習プロセス、感想

 

 前エントリの続きです。

■学習プロセス

前述のとおり、講義は

 1)ナレッジ・セッション」
  「インタラクティブ」な学びを 促す教育のあり方について学ぶ

 2)スキル・セッション
   演劇・表現の観点から、参加者が主体的に学ぶ場を作るための技法を学ぶ

 3)ストーリー・セッション
   各領域で第一線を走る研究者・実践者たちが、「教えること」にいかに向き合い、実践してきたのかを語る

の3部構成です。このつくりは、結果的に全体の学びにうまく作用するよう計算されています。そのことに気づいたのは、最終レポートの作成・採点の時でした(これについては後ほど

 

以下、インタラクティブ・ティーチングの学習プロセスの一例です。

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【ナレッジセッションで使用するワークシートをダウンロード】 

      ↓

【ナレッジ・セッション受講】

双方向の学びについての基礎知識の習得を主眼とし、ゼミ形式で進行。毎週、10分程度のセッション4~5本を視聴します。
動画には、主任教員と東京大学フューチャーファカルティプログラム(大学教員を目指す大学院生向けプログラム)に在学するリアル院生さんたちが出演しており、まさに実際の教室での授業を覗いているような感覚。
各セッションでは先生が院生さんに対し問いかけを行うので、それについてPCの前の受講生も一緒に考え、ワークシートに記入します。
折々に、先生が院生さんの考えを引き出します。出演している院生さんたちの回答に、新しい発見をもらって膝を打つことも多く。しかし院生さんはみなさん本当に優秀な方ばかりでした。レベルの高いやりとりを見ることができたのも、思わぬ収穫でした。

特筆すべきは、このセッションが「90分の授業をデザインしよう」の回で登場した「ガニエの9教授事象*1に則って作られていることです。わかりやすさは理論に裏打ちされていたのか!と実感。仕事するうえで「感覚」も大事ですが、「理論」をばかにしちゃいかん、と改めて思いました(最近感覚寄りで仕事しがちだったかも、と反省

      ↓

【ナレッジ・セッション課題提出】
毎週1回、その週のセッションに関するクイズ(選択)形式の課題が出されます。結果は即採点され、マイページの成績欄にその週の得点率が記録されていきます。
採点と同時に、回答と解説を見ることができるのはとても良かったです。

最初のほうは元々持っている知識でなんとか解けたのですが、第4週「90分の授業をデザインしよう」あたりからはぐっと高度になり、動画を巻き戻して見直す回数が増えました。

      ↓

【スキル・セッション、ストーリー・セッション視聴】
この2つについては週単位での課題は課されないので、あとでまとめて見るひと、毎週見るひと、様々かも知れません。私はナレッジ・セッションの課題をクリアしたあと、余裕があれば見て、きついときは後日まとめて見たりもしました。

スキル・セッションは、ナレッジ・セッションと同様、講師と院生さんのやりとりをもとに進みます。時間はナレッジと同様、10-15分程度×1本。講師は音楽座ミュージカルの俳優さんです。
ここでは、場の雰囲気の作り方や緊張のほぐし方など、講義を行う上で大切な非言語的要素を学びます。これがとっても楽しくて、毎週のコンテンツのアップを楽しみにしていました。

ストーリー・セッションは、15-30分程度×1-2本。実際に教壇に立ったばかりの若手教員からベテラン教員、研修コンサル的なお仕事をされている方など、幅広い分野の方々と進行役の先生との対話形式で進んでいきます。面白いのですが、ちょっと長いな・・と思うこともたまにあったりして。。

      ↓

【最終レポート作成】

8週間のセッションを全て視聴し終え、ナレッジ・セッションの課題を終えたら、いよいよ最終レポートに取り掛かります。課題は3つ。(課題は受講生以外には公開されておらず、どこまで明らかにしてよいかいまひとつ分からないので簡単に)

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■スキル・セッションレポート(印象に残ったセッションを1つ選択:450字程度)

■ストーリー・セッションレポート(印象に残ったセッションを1つ選択:450字程度)

■総合レポート(3つのセッションの網羅的内容:900字程度)
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字数的にはさほど多くないのですが、8週間の盛りだくさんな内容を圧縮し、制限字数内に収めるのに苦労しました。
特徴的だったのは、作成したレポートを評価するためのルーブリックがあらかじめ用意されており、これを指針として自身のレポート書くことを推奨されていたこと。これは非常にありがたかったです。ルーブリックの作り方もセッションに含まれていたのですが、実際に利用することで「理想的なルーブリックのかたち」を知ることもできました(ただ、実際学生がレポートを書くときって、事前にルーブリック渡すものなのでしょうか・・・?そのへんがよく分かってないです。。^^;)

ちなみに、3部構成のうちナレッジ・セッションについては毎週課題が出されていたので、改めてレポートは課されませんでした。が。これを勘違いして、本来スキル・セッションについて書かねばならないのに、ナレッジ・セッションのことを書いてしまう人や(私も間違ってしまい、書き上げてから気づいて全文書き直し・・)、3つの課題全部を書かないうちに送信してしまう人が続出した様子。後者についてはもはやユーザーインタフェースの問題なのかもしれません。

      ↓

【他の受講者のレポート採点(5人分)】

3つの課題×5人分の採点。レポートを書くときに使ったルーブリックを基準に採点し、良かった点・改善が必要な点について、一人一人にコメントを寄せて終わり。
ほかの方が取り上げたセッションは、必ずしも自分が書いたセッションと一致するわけではないので、よく覚えてないセッションを取り上げたレポートを採点するためには、再度動画を見直すという作業が必要になります。事実ほかの方が取り上げたセッションは既に忘れていることも多く、復習を繰り返し。。。一度の学習では終わらないように計算されていることに、妙に感心してしまいました。

      ↓

【自己採点】

他者の採点を通して「あ、私のレポートあそこが抜けてる・・」と気づくことも多く、かなり辛めの採点となりました。ちゃんと最後に振り返りを行うようにできている。ほんとよく計算されてるなあ。。

      ↓

【自身の採点結果の確認】

ここまでクリアしたら、はじめて自分の採点結果を見ることができます。
ルーブリックの項目ごとの得点と自己採点の比較、採点してくださった方のコメント、双方を確認します。予想以上の得点にびっくりしました。たまたま優しい採点者の方に当たったののか、良かった点のみの言及だったのですが、改善点もびしびし指摘してほしかったなあ・・・と思ってしまいました(逆に私は採点した5人全員に対し「改善すべき点」をがっつり指摘したので、相当厳しい部類だったのではないかしら・・><。)

      ↓

【終了(修了!)】

この時点で全体の得点率が70%をこえていれば、晴れて修了です。
ナレッジ・セッションは96〜100%をキープしましたが、第3週の課題を体調不良で提出しておらず、これが最後まで響いて、最終レポート直前の段階で得点率68%。最終的には89%でした。セーフ。。。

      ↓

【修了証授与・動画ダウンロード】

修了者には修了証が授与されます。これがあるから人事評価が上がる、というわけでもないのですが、頑張ったことがかたちになるのはやっぱりうれしいー。
そして何よりうれしいのが、8週間学んできた動画コンテンツをまるごとダウンロードできる権がもらえることです。

 

■感想

これまで、自己管理や最後までやり抜く強い意志を求められる「ひとり学び」が成功したためしがなかったことから、今回も半信半疑でのスタート。仕事の繁忙期とも重なったので、正直修了できるとは思っていませんでした。

なぜ続けられたのだろう。振り返って、その要因を考えてみました。

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1)コンテンツが楽しい

これは本当に大きいです。内容もさることながら、出演している先生と院生さんの間にある信頼関係がとても好ましく、雰囲気もよいので、リラックスして受講することができました。「画面のなかのあのひとたちにまた会いたいな」と思えるってすてきなことだなあ、と。

2)双方向型講義の実感

ナレッジ・セッションの合間に先生からの問いかけがあったので、ただ話を聞いてるだけではなく、自分の頭で考える機会が多かったように思います。なんというか、授業に参加している実感が持てるというか。
毎週の課題がその場でフィードバックされ、得点率が分かるのも、モチベーションがぐいっと上がるきっかけになりました。

3)コンテンツのボリュームが適切

各コンテンツが10-15分程度で作られていて、時間的に負担に感じないところは、長く続けられる大きな要因であると思います。
私は土日で一気に視聴することが多かったのですが、1回のセッションがミニマムなので、通勤時間やお昼休みなどの隙間時間を使うことができるのは、社会人にとって非常に嬉しい仕様です。

4)振り返りができる
分からなかったところ、取りこぼしたところを見直すことで、学びの効果も大きくなりました(特に最終レポートの採点時)。MOOCならではの学習効果なのだと思います。


5)ディスカッションボードの存在

ディスカッションボード(掲示板)では、他の受講生との教え合いや情報交換を行うことができます。実際、ある週の課題の設問が理解できないことがあって「こんなことも分からないのって私だけなんじゃ・・・」とドキドキしながらボードを覗いたところ、同じ迷いを抱えている受講生がたくさんいて驚くと同時に、とても心強く思いました。ああ一人じゃないんだな、って。

6)修了しないとコンテンツがダウンロードできない

デメリットとも考えられますが、あえて。
前述のとおり、この講座のコンテンツは緻密に設計されていますが、修了しなければ一切見ることができなくなってしまう。これが私の学びのモチベーションをぐぐっと上げる、最大の材料となりました。まるで鼻先に人参をつるされながら走る馬のようですが、このコンテンツが欲しくて頑張った、というのは大きいです。かなり。

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そもそもインタラクティブ・ティーチングを受講しようと思ったきっかけは、図書館職員としてラーニングコモンズをはじめとする学修支援環境を考える上で、そこで行われるであろうアクティブ・ラーニングと呼ばれているものの本質や特性を知りたかったからでした。アクティブ・ラーニングを学生の学習行動寄りの視点で見ていたわけですが、8週間の学びを通じてこれらを知ることと同時に、シラバスやルーブリック、ティーチング / アカデミックポートフォリオの作成など、授業改善や評価の側面から、アクティブ・ラーニングへのアプローチを知ることができたのは、予想外に大きな収穫でした。

また、アクティブ・ラーニングを知ることにより、ひとつ新たな疑問も生まれました。
それは、大学の学びが全体的にアクティブ・ラーニングに傾倒していくことに対する違和感です。(※決して今回の講座を否定するわけではありません。念のため。。

あらためて「学問」ってなんだろう、と考えました。

昨年11月に中央教育審議会より出された「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)」では、アクティブ・ラーニングに代表される新たな学びの指導方法や教材・評価手法の在り方について言及されています。このことは学習指導要領にも大きな影響を与え、今後は高等教育だけではなく、初等中等教育においてもアクティブ・ラーニングの比重が大きくなることが予想されます。一方で、「自身と向き合い、ひとつのことを突き詰める」学究的学びや、従来型の講義スタイル(インプット型)もまた大学「ならでは」の学びのかたちであって。こうした学びで蓄積された知識がベースにあってはじめて、アクティブ・ラーニングの効果が活きてくるのではないかと感じます。

要は、インプットの学びとアウトプットの学びのバランスなのかなと。仕事も同じ。どちらかに偏らず、相互的に作用しなければいい結果は生まれない。

図書館はそのバランスポイントにいて、双方の学びをサポートできる場所。一人での学び、大人数でのアクティブな学び、様々な学習形態にフィットした環境を提供することが、私たち図書館職員の使命なのかなと思います。

 

20150209付記 1

日本私立大学連盟の機関誌『私学時報』第358号(2014)では「世界で広まるMOOC(Massive Open Online Course)―わが国の高等教育への展開」と題した特集が組まれていますが、このなかに載っている木村健太氏(立教大学)の「やってみたJMOOC ―事務職員による受講体験記」もなかなか楽しいです(この記事に背中を押されてgaccoに申し込みました)

http://www.shidairen.or.jp/activities/daigakujihou/index_list/no358

 

20150209 付記2

すでにgacco×図書館、という取組は広がりつつありますが。*2 *3

gaccoのコンテンツを個人視聴にとどめるのはもったいなくて、著作権や契約の問題がクリアできるのならば、もっと様々な用途に活用してみるのも面白いんじゃないかな、と思いました。例えば大学職員のスタッフ・ディベロップメントに利用する「モチベーション・マネジメント」や、特にInstitutional Research担当者にフィットしそうな「統計学」あたりはまさにSD向けでは)、ラーニングコモンズで教材として活用する、などなど(思いつきですが。。

 

日本版MOOC体験記 gacco「インタラクティブ・ティーチング」(2)gacco、インタラクティブ・ティーチング概要

 前エントリの続きです。



というわけで、日本版MOOC「gacco」、今回受講したのは「インタラクティブ・ティーチング」です。

■gacco概要

「大学教授陣による本格的な講義を、誰でも無料で受けられるウェブサービス​​」(gaccoホームページより)

1)運営

 株式会社NTTドコモ / NTTナレッジ・スクウェア株式会社

2)特徴
 ・本格的な大学講義の提供
   ビジネスに直結するものから教養的なものまで、幅広いジャンルに関する高クオリティな講座が揃う
 ・深く学べる
   別途設置された掲示板で、仲間同士による議論が可能(講師が参加することも)
 ・修了証の発行
   課題を提出し、所定の基準を満たすと修了証が発行される​

4)登録(アカウント作成)

 登録に必要な項目は、メールアドレス・氏名・ユーザー名・パスワード(以上必須)・最終学歴・性別・誕生年程度と、いたって簡単。

 

 ■「インタラクティブ・ティーチング」概要

制作:東京大学大学総合教育研究センター

支援・協力:一般財団法人日本教育研究イノベーションセンター


1)講義の目的

大学教員の「研究者」として能力を伸ばすことはもちろ んですが、もう一方の「教育者」としての知識やスキルも習得したい――このような思いを持つ大学院生のために、本コースは開講されます。本コースは、東京大学で実施されている大学教員を目指す大学院生を対象とした「東京大学フューチャーファカルティプログラム」の蓄積をもとに構成されており、学生が主体的 に学ぶための教育のあり方について、特に「ともに学ぶ」ことに重点をおきながら実践的な内容を展開します。

東京大学ファカルティ・ディベロップメント 「インタラクティブ・ティーチング」紹介ページより

詳細はこちらをどうぞ!


MOOC講座「インタラクティブ・ティーチング」説明ビデオ - YouTube


2)受講対象:

特に制限はなく、「教えること」に携わるすべての人が受講できますが、講義内容は「これから大学教員を目指す大学院生」を想定して進んでいきます。

 #実際に受講した際にご一緒した方々を見ると、上記のほか

    ・現役教員(大学・高校・中学校)

    ・大学で教えている、企業講座などの担当者

    ・企業の研修・人材育成担当者

    ・大学職員(図書館員含む)

 とおぼしき方も。

 

※以下、gacco「インタラクティブ・ティーチング」講義ページより一部抜粋

3)到達目標

 ・アクティブ・ラーニングとは何かを説明できる

 ・多様なグループ・ワーク(ジグソー法、ポスター・ツアーなど)の特徴と実施方法を説明できる

 ・学びを深める授業をデザインできる

 ・コースの目的と目標を適切に設定できる

 ・コースの評価の意義を理解し、適切に活用できる

 ・ポートフォリオの特徴を知り、キャリアパスを考えるツールとして活用できる  他

4)課題内容

 ・毎週(各単元)、選択形式の理解度確認クイズを実施
 ・期間中に最終レポートの提出を課す
 ・最終レポートは、受講者間の相互採点を実施

 

5)修了条件

 得点率70%以上

 

6)学習期間

 8週間(2014年11月19日~2015年1月25日 / 最終レポート提出締切:2月2日)

 

7)講義構成

・ナレッジ・セッション

  「インタラクティブ」な学びを 促す教育のあり方について学ぶ

   【第1週】アクティブ・ラーニングについて知ろう
   【第2週】アクティブ・ラーニングの技法
   【第3週】学習の科学
   【第4週】90分の授業をデザインしよう
   【第5週】もっと使えるシラバスを書こう
   【第6週】学びを促す評価
   【第7週】キャリアパスを考える1 大学教員としてのあり方
   【第8週】キャリアパスを考える2 ポートフォリオの利用

・スキル・セッション

  演劇・表現の観点から、参加者が主体的に学ぶ場を作るための技法を学ぶ

   【第1週】スキルの哲学:肝心なものは目に見えない
   【第2週】導入編1:空間を作る
   【第3週】導入編2:伝わる喋り方
   【第4週】交流編1:まずは自分の緊張をほぐす
   【第5週】交流編2:リアクションを生み出すために
   【第6週】応用編1:質疑応答(1)
   【第7週】応用編2:質疑応答(2)
   【第8週】まとめ:失敗を恐れるな


・ストーリー・セッション

  各領域で第一線を走る研究者・実践者たちが、「教えること」にいかに向き合い、実践してきたのかを語る

   【第1週】理系分野のアクティブ・ラーニング
          (東京大学大学院総合文化研究科・平岡秀一教授)
           ケースを用いた学習:ケースメソッドを用いたビジネスススクールでの学び
          (法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科・高木晴夫教授)
   【第2週】学生の議論を促すには?
          (東京大学大学院教育学研究科・本田由紀教授)
           協調学習、高校の授業をインタラクティブに!
          (東京大学大学総合教育研究センター・三宅なほみ教授)
      【第3週】栄養学を教える:一歩一歩学びをつくることの大切さ
          (女子栄養大学短期大学部・渋谷まさと教授)
           プロジェクト・ベースド・ラーニングから、パッション・ベースド・ラーニングへ
           (同志社女子大学現代社会学部・上田信行教授)
      【第4週】目で見て、耳で聞く英語教育:視聴覚教材の利用
           (東京大学大学院教育学研究科・斎藤兆史教授)
           教え方、学び方の日米英比較、1人の教員ができること
           (オックスフォード大学社会学科・苅谷剛彦教授)
   【第5週】大学教育と大学生の日独比較
           (東京大学大学院総合文化研究科・へルマン・ゴチェフスキ准教授)
           学生とともに創る授業:プロジェクト・ベースド・ラーニングへの挑戦
           (東京大学教養学部附属教養教育高度化機構・山邉昭則特任講師)

   【第6週】研究の駆動力にもなる「おもろい教育」を目指して
           (東京大学大学院理学系研究科・入江直樹准教授)
           対話を使った組織変革・人材育成
           (株式会社アクション・デザイン代表加藤雅則氏)
   【第7週】大学はどうなるか?大学教員には何が求められるか?:MOOCと反転授業
           (東京大学大学院情報学環・山内祐平准教授)
   【第8週】大学の歴史から大学教員のこれからを考える
             (東京大学大学総合教育研究センター吉見俊哉センター長・教授、中原淳准教授、栗田佳代子特任准教授)


詳しくはこちらもどうぞ!

学習プロセス・感想は次のエントリで・・・(また続きます

日本版MOOC体験記 gacco「インタラクティブ・ティーチング」(1)MOOCの背景

 

「MOOC」ということば。

 

大学で働いていると頻繁に耳にするのですが、実のところは「大学の授業をオンラインで受講できるんだよね?」くらいのふんわりとした知識しかありませんでした。

機会があれば一度体験してみたいなーと思っていたところ、2014年に入り日本版MOOC「gacco」が公開され、おおうこれはチャンス!と思い早速受講してみました。

その体験記を、ほやほやなうちに記録しておきたいと思います。

 

そのまえに、MOOCの背景について少しだけ。

 

■オープンエデュケーション、OCW、MOOC

MOOC(Massive Open Online Course)は、2001年にマサチューセッツ工科大学がコンセプトを発表した、講義情報の無償公開の枠組みであるOCW(Open Course Ware)に代表されるオープンエデュケーションの流れを汲み、2012年頃からアメリカにおいて急激に拡大した、といわれています。また、2013年からは、営利団体やコンソーシアムが運営するMOOCプラットフォームCourseraedX東京大学京都大学大阪大学が参加するなど、MOOCは日本でも拡がりを見せました。*1

東京大学Coursera:2013年〜  / edX2014年~*2 *3
京都大学edX:2013年~)*4

大阪大学edX:2014年~)*5

そして2014年にはNTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアによる日本版MOOC「gacco」が公開され、いよいよ日本においても大学の学びのオープン化が進むことになりそうです。*6

 

OCWとMOOCの違い

OCW

・利用登録不要

・大学で実際に提供された講義を配信

・構成要素:講義ノートシラバス・課題やプロジェクト・定期試験の設問/解答など

・いつでも利用可能

・各大学のOCWサイトで公開

 

【MOOC】

・学習者は個人名を登録

・決められた開講期間内に講座提供者側の設定したスケジュールに合わせて学習

・課題・試験・レポート提出などに期限内で対応

・最終結果が判定基準を満たせば講座提供者から修了証が提供される

 

福原美三(2014) 「内外のMOOCの経緯と現状及び将来展望」『 大学時報』2014, 63(358), pp.32, 日本私立大学連盟

 

上記を見ても分かるとおり、MOOCはOCWのように「コンテンツの一方的な提供」という形態ではなく、提供者(教員)と受講者、双方向のやりとりが発生するという点で、実際の大学教育カリキュラムに近いものと言えると思います。

 

 ☆参考:日本におけるOCW実施例(国立・私立大学)

「日本オープンコースウェア・コンソーシアム(JOCW)」メンバー一覧

#余談ですが、個人的に関西大学OCW「教えと学びのショーケース」の構成が特徴的で面白いと思いました(名前もキャッチーでよいです)

メニューは大きく3つに分かれていて

1)「教えのショーケース」(教え方要約集・教育実践事例集)
2)「学びのショーケース」(学習コンテンツ)←一般的なOCWコンテンツ
3)「交流プラザ」(他大学でも利用可能なコンテンツ紹介・教育実践フォーラム)

1)と2)の間に関連がある場合は、相互リンクが張られているというのもユニークです。

 

gacco、講座の概要については、次のエントリで。