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日々のきろく

図書館や高等教育をめぐる様々なできごとなどを記録します

日本高等教育学会第15回大会 参加メモ(1)


人生初、「学会」と名のつくものに参加してきました。

日本高等教育学会 第15回大会
 2012年6月2日(土)-3日(日) 於 東京大学本郷キャンパス
 http://ump.p.u-tokyo.ac.jp/taikai/

  • 参加のきっかけ

研究者でもないのになぜ学会へ?

きっかけは、東北大学高等教育開発推進センター主催の大学職員能力開発プログラム(SDP)「教育企画力とは何か? いかに身につけるか?」
(2012年2月29日(水)開催  http://bit.ly/AhE6LG
に参加した際にパネリストから発せられた

・教育企画力を持つ職員⇒教育成果に能動的に関わる職員
・教育成果に関わるためには、裏付けとなる知識(教育理論や実践)が必要

ということばに強く影響されたためでした。

私は大学図書館の中の人なので、以前から図書館と授業をもっと密接に結びつけられないかなあとか、初年次教育に図書館が積極的に切り込んでいくことはできないかしら、なんてことを考えていましたが、連携を考えようにも説得力のある提案ができない。これはどうしたものか・・・と悩んでいました。
そんな中で東北大学の大学職員能力開発プログラムに参加して初めて、「教育理論や授業手法の知識に裏付けされた提案力・企画力」が圧倒的に足りないのだ、ということに気が付いたわけです。

教育理論や実践のカレントトピックスを聞くには事例発表が豊富な学会が一番適しているかもしれない。
とは言え、いきなりガチな学会に参加するのはハードルが高いしなあ、と悩んでいたところ、大学職員の友人が日本高等教育学会で発表すると聞き(しかも図書館関連の内容!⇒次のエントリで詳細について報告します)、教員のみでなく職員も発表することにより双方の視点からいろいろと見えてくるものがあるかも知れないと思い、参加することにしました。


  • 聞いた発表

自由研究発表
 1) 大学生の学習成果達成に関する実証的研究
    -大学入試、各学年の学習成果、教職員によるエンゲージメントに着目して
 2) 大学教育の効果に関する横断的・時系列的研究
    -全国大学生・高校生調査から-
 3) コミュニケーション・ツールとしてのポートフォリオの検討
 4) オーストラリアの大学における学習支援空間 ラーニング・コモンズの事例から
 5) 大学運営における政策の受容に関する研究
    -キャンパスの禁煙化を事例として-
 6) 大学改革事業の成果へのアプローチ -参加者への質問紙調査の結果から-
 7) 専門職化しない日本のFD担当者に関する考察
    -「FD担当者」の持つ意味合いに着目して
 8) 大学職員がプロデュースする研修プログラムの意義と課題
 9) 大学院重点政策後の博士課程大学院教育
    -マクロ動向と研究大学のケーススタディ-
 10)大学図書館による社会人を対象とした情報リテラシー教育とその発展可能性
 11)中国人留学生からみる日本の大学院教育 -広島大学を事例とする-
 12)中国における「専門職学位」課程の卒業者の社会的評価とキャリア志向 
    -MBA、法律修士、教育修士を中心に-

課題研究発表
 ・大学教員にとっての授業 -組織・教育課程と行動様式-

自由発表だけでも80以上あり、私が聞いたのはその中のごくごく一部でしかありません。
 #聞きたい発表をはしごするために、野外フェスさながらに会場間を走って移動していました

テーマは学習成果・国際化・質保証・学部教育からIR・私学/国公立経営・財政・組織・職員といった大学行政的なものまで非常に幅広く設定されています。
できるだけ偏らず話を聞こうと思っていたものの、結局私学経営や財政についてはカバーできませんでした。

発表時間は各20分と短いのですが、その分構成もしっかり考えられており(それでも時間が不足してしまうようでしたが・・)発表内容はもちろんのこと、プレゼン技術や教員・職員のプレゼンスタイルの違いなど様々な事例を一度に見ることができて、テクニカルな面でも非常に勉強になりました。
学会は研究者だけのものではありません。大学職員の方々もぜひ学会に参加されることをおすすめします。
(可能であれば発表も目指しちゃえ!)

今回の発表の中で特に印象に残ったのは、自由発表のうち図書館関連の4)10)、職員育成がテーマの8)でした。
全てに関してメモと感想を、と思うのですがなにせ膨大な量なので、このうち発表者ご本人からWebへの掲載許可をいただいた方の発表メモと感想を次のエントリに載せたいと思います。